2010年 06月 11日
おもだか家物語 17回目 |
「...なんてね、ごめんね、私ここの社員じゃないのよ。」
年配の女性は言った。
「はぁ。。?」
タクもスミも、またもや分からなくなった。
そんな不可解そうな二人を見て、その女性は続けた。
「2年前にここで家を建ててもらってね、今日はちょっと遊びに来たの。
営業さんは今ちょっとトイレに行ってるだけだからすぐ戻ってくるわよ。」
まもなく、営業マンらしき男が戻ってきた。
「うわっ、あぁ..こんにちは、いらっしゃいませ。」
玄関から戻ってきた営業マンは既に上がっているタク達に緊張気味にあいさつをした。
その後、年配の女性に
「鈴木さん、留守番させちゃったみたいですみませんでした。
ちょっとご案内をしますのでゆっくりしててください。」と言った。
「ごめんね、ちょっと案内の真似事みたいなことしちゃったの。」と、鈴木さんという名の女性は
タクと営業マンに向かってすまなそうに言った。
「そうなんですか。なにかおかしなこと言っちゃたんですか。」と、営業マンが言うと、
「ここはファレスみたいだって言っちゃったの。」
「ファミレスですか。」
営業マンは少し考えていたようだが、
「なるほど、鈴木さんがお持ちの当社へのイメージが何となく伝わってきます。」
と言うと
「そうでしょ、意外と的得てるわよね。我ながら分かりやすい表現だと思ったの。」
鈴木さんは、先程と変わり、ちょっと誇らしげに言った。
「そんなことより、こちらのご家族の案内しなきゃでしょ。」
鈴木さんは営業マンに気を遣って言ってくれた。
営業マンは「はい、すみません。」と鈴木さんに断り、タクに改めてあいさつをした。
「申し遅れました、私、カメレオン住宅の木出建造と申します。」
営業マンの名は、キデ ケンゾウ 33歳。
20代で現場監督をし、今年の初めから営業として展示場に詰めることになった。
意外と人見知りで、最近になってようやく展示場での案内に慣れてきたところだった。
さっきの鈴木さんは2年前に現場監督として担当した施主の奥さん。
今日は木出が営業になったと聞き、木出の様子を見に来ていたところだった。
鈴木さんは、どうぞ案内をして、と木出に言ったものの、やっぱりちょっと心配だったので、
以上のくだりを丁寧すぎるくらいにタクとスミに話してくれた。
タクとスミはようやくちゃんと理解できた。
「じゃあ、まだ営業としては新米さんね。」
スミが言うと
木出が「はいっ、すみません。」と言った。
すかさず鈴木さんが、
「でも木出君は、いろんなことよく知ってるのよ。
ちょっと話が下手だけどちゃんと説明してくれるから、分からないことがあったら聞いてみて。」
「なにもすまなくないさ。営業は新米でも住宅の知識はあるんだから。」とタクが言うと、
木出は少し緊張が解けたような表情になった。
そして、タクは続けて聞いた。
「ところで...
契約したら何ヶ月で住める?」
「イテッ!」
スミにつねられた。
つづく
年配の女性は言った。
「はぁ。。?」
タクもスミも、またもや分からなくなった。
そんな不可解そうな二人を見て、その女性は続けた。
「2年前にここで家を建ててもらってね、今日はちょっと遊びに来たの。
営業さんは今ちょっとトイレに行ってるだけだからすぐ戻ってくるわよ。」
まもなく、営業マンらしき男が戻ってきた。
「うわっ、あぁ..こんにちは、いらっしゃいませ。」
玄関から戻ってきた営業マンは既に上がっているタク達に緊張気味にあいさつをした。
その後、年配の女性に
「鈴木さん、留守番させちゃったみたいですみませんでした。
ちょっとご案内をしますのでゆっくりしててください。」と言った。
「ごめんね、ちょっと案内の真似事みたいなことしちゃったの。」と、鈴木さんという名の女性は
タクと営業マンに向かってすまなそうに言った。
「そうなんですか。なにかおかしなこと言っちゃたんですか。」と、営業マンが言うと、
「ここはファレスみたいだって言っちゃったの。」
「ファミレスですか。」
営業マンは少し考えていたようだが、
「なるほど、鈴木さんがお持ちの当社へのイメージが何となく伝わってきます。」
と言うと
「そうでしょ、意外と的得てるわよね。我ながら分かりやすい表現だと思ったの。」
鈴木さんは、先程と変わり、ちょっと誇らしげに言った。
「そんなことより、こちらのご家族の案内しなきゃでしょ。」
鈴木さんは営業マンに気を遣って言ってくれた。
営業マンは「はい、すみません。」と鈴木さんに断り、タクに改めてあいさつをした。
「申し遅れました、私、カメレオン住宅の木出建造と申します。」
営業マンの名は、キデ ケンゾウ 33歳。
20代で現場監督をし、今年の初めから営業として展示場に詰めることになった。
意外と人見知りで、最近になってようやく展示場での案内に慣れてきたところだった。
さっきの鈴木さんは2年前に現場監督として担当した施主の奥さん。
今日は木出が営業になったと聞き、木出の様子を見に来ていたところだった。
鈴木さんは、どうぞ案内をして、と木出に言ったものの、やっぱりちょっと心配だったので、
以上のくだりを丁寧すぎるくらいにタクとスミに話してくれた。
タクとスミはようやくちゃんと理解できた。
「じゃあ、まだ営業としては新米さんね。」
スミが言うと
木出が「はいっ、すみません。」と言った。
すかさず鈴木さんが、
「でも木出君は、いろんなことよく知ってるのよ。
ちょっと話が下手だけどちゃんと説明してくれるから、分からないことがあったら聞いてみて。」
「なにもすまなくないさ。営業は新米でも住宅の知識はあるんだから。」とタクが言うと、
木出は少し緊張が解けたような表情になった。
そして、タクは続けて聞いた。
「ところで...
契約したら何ヶ月で住める?」
「イテッ!」
スミにつねられた。
つづく
by omodakablog
| 2010-06-11 20:04
| おもだか家 物語