2010年 02月 12日
おもだか家物語 2回目(はじまり) |
さて...。
家族4人で囲んだ日曜日の夕食後、夫のタクは何気なく、妻のスミに話してみた。
結婚して13年が経つこの夫婦は、特別、大きな争いや事件もなく、ごく平凡で
そこそこ幸せな日々を過ごしてきた。
「そろそろ家を買おうか?」
スミもそろそろとは思っていたが、なんとなく「家を買う」という言葉が気に入らなかった。
とはいえ、子供たちも学校に慣れ、この辺りで気に入った場所があればと、
スーパーへ買い物に出掛ける時には、近くの分譲地などを物色してはいた。
そんな矢先のタクの提案だったので、同じ時期に同じ思いでいてくれたことはうれしかった。
ただ、金銭的なことについては土地も買わなければならないし、建物もどれくらいの大きさが
必要で、どれだけのお金がかかるのかまでは、今まで考えたこともなかった。
わずかながらの貯えはあるにせよ、それが土地から購入する住宅建設にどれほどの
足しになるのかも分からなかった。
「買うといってもお金はだいじょぶなのかしら? それと.... 家って買うものなの?」
「僕なりに何となく調べてみたけど、親からの援助も少し必要かもしれないけど
銀行でローンを組めば、どうにかなると思うよ。」
「だって親からの援助とは言っても、贈与税とかで限度があるんじゃない?」
「なんだか毎年変わっているようだけど、今度の与党はその制限を引き上げるみたいだよ。」
「そうなの?」
そんなやり取りを聞いていた小学2年生の長男ケンは、
「ゾーヨゼーには、ジョーシンショでいいんだよ。ソーリ大臣がいいんだもん。」
とぼけ顔のケンではあるが、大人の話は良く聞いていて、話に参加することで、
自分の小さな大人としての主張は、ちょっとの会話の中でも欠かさなかった。
そのたびにタクに柔らかく、いなされるのがおちで、ピントがずれているのも
毎回のことだった。
「ケン、いろんなこと良く知ってるね。でもね、ちょっと違う部分もあるから、ケンが分かるような
年になったらちゃんと説明するね。」
「うん。とおちゃん、オレよく知ってるよね。」
スミはそんなやり取りを横で見ながら、タクからの2つ目の質問の答えを待っていた。
つづく
担当:花子
家族4人で囲んだ日曜日の夕食後、夫のタクは何気なく、妻のスミに話してみた。
結婚して13年が経つこの夫婦は、特別、大きな争いや事件もなく、ごく平凡で
そこそこ幸せな日々を過ごしてきた。
「そろそろ家を買おうか?」
スミもそろそろとは思っていたが、なんとなく「家を買う」という言葉が気に入らなかった。
とはいえ、子供たちも学校に慣れ、この辺りで気に入った場所があればと、
スーパーへ買い物に出掛ける時には、近くの分譲地などを物色してはいた。
そんな矢先のタクの提案だったので、同じ時期に同じ思いでいてくれたことはうれしかった。
ただ、金銭的なことについては土地も買わなければならないし、建物もどれくらいの大きさが
必要で、どれだけのお金がかかるのかまでは、今まで考えたこともなかった。
わずかながらの貯えはあるにせよ、それが土地から購入する住宅建設にどれほどの
足しになるのかも分からなかった。
「買うといってもお金はだいじょぶなのかしら? それと.... 家って買うものなの?」
「僕なりに何となく調べてみたけど、親からの援助も少し必要かもしれないけど
銀行でローンを組めば、どうにかなると思うよ。」
「だって親からの援助とは言っても、贈与税とかで限度があるんじゃない?」
「なんだか毎年変わっているようだけど、今度の与党はその制限を引き上げるみたいだよ。」
「そうなの?」
そんなやり取りを聞いていた小学2年生の長男ケンは、
「ゾーヨゼーには、ジョーシンショでいいんだよ。ソーリ大臣がいいんだもん。」
とぼけ顔のケンではあるが、大人の話は良く聞いていて、話に参加することで、
自分の小さな大人としての主張は、ちょっとの会話の中でも欠かさなかった。
そのたびにタクに柔らかく、いなされるのがおちで、ピントがずれているのも
毎回のことだった。
「ケン、いろんなこと良く知ってるね。でもね、ちょっと違う部分もあるから、ケンが分かるような
年になったらちゃんと説明するね。」
「うん。とおちゃん、オレよく知ってるよね。」
スミはそんなやり取りを横で見ながら、タクからの2つ目の質問の答えを待っていた。
つづく
担当:花子
by omodakablog
| 2010-02-12 18:05
| おもだか家 物語